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『バベルハイムの商人』(古海鐘一)2巻読了。
同世代の誰かに説明するとすれば、『アウターゾーン』と『笑うセールスマン』が今風になったようなもの、とも言えるかもしれないが、「貨幣(運命金貨)」の存在と、「交易の輪」という考え方があることの意味を強く主張し、それら旧来の作品と一線を画すものであることをここに記しておきたい。

人間って、何に使うのかも不明な"わけのわからないもの"を交換・交易することに底知れぬ願望と喜びを抱くものだ、という限りなく真理に近いであろう何かと、そのために「悪魔」との交易を望むのは(だって人間世界のものはだいたい価値がわかって簡単に買えるから)、ごく自然なことだと思わせる説得力のある作風。

作中で悪魔と交易する人間は、ただ「○○をかなえたい」といった明確な目的のためというより先に、「悪魔と交易すること」に底知れぬ欲望を感じているのではないか(その渇望こそが悪魔的なのかもしれないが)。

ひょっとすると、悪魔と交易を可能にするこの「貨幣」の存在から、ただの経済理念や等価交換、資本主義、そんなものを思い描くお坊ちゃんもどこかにいるかもしれないが、ここに登場する「運命金貨」は、ビジネスマンが使うような貨幣や価値とは一線を画すものであることは、少しでも読めばわかることだろう。

この作品の世界観の入り口に「貨幣」を持ってきた作者の炯眼は、見事というほかない。

しかもこの2巻からは人間との交易の大先輩たるメフィストフェレスまで登場し、駆け引き、あるいは邪道バトルがはじまる始末。これは続きが非常に待ち遠しく、また末永く読みたい作品。
(3巻4巻が出るころには「人間の欲望を云々する悪魔的な何かがどうのこうの」とか言っているかもしれない。と、そんな予想外の「読み方の変化」も期待するわけなのです)

▼『ウォーキングデッド』を見始める。「遅れてやってきたプレイヤー」が、ゲームの"ルール"を学んで旅立つ第一話。実に興味深い。
「踊り続けるんだ。なぜ踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ」(『ダンス・ダンス・ダンス』/村上春樹)
「どうしてこの曲なのか、どうしてうまく踊らなくちゃいけないのか、踊り終わると何があるのか。そういうことは考えてもしかたがない。考えたら足が停まる。足が停まったらゲームが終わる。気遣わなければならないのは、とりあえずは自分が『ちゃんと踊っているかどうか』だけなのです。」(『街場の教育論』/内田樹)

▼『リューシカ・リューシカ』(安倍吉俊)5巻読了。


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